9 決意

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 アーレントとフィンセントの未来だけでも救ってあげたい。  二人を抱き締め、顔を前に向ける。 「皆様のお気持ちはよくわかりました」  威厳を持って、その場をゆっくり見回すと、貴族令嬢たちが静かになった。 「ルスキニア皇宮の主はレクス様。私ではなく、皇帝陛下が決めることではありませんか?」 「そのとおりだ」  その声に驚き、声がしたほうに視線をやった。  タイミングよく現れたのは、侍従を連れてやってきたレクスだった。  侍従に案内されてやってきたレクスだけど、私のお茶会に参加するとは聞いていなかった。  ――いったい、レクスはなにしにきたの?  突然現れたレクスに驚いたのは、私だけでなく、貴族令嬢も同じだ。 「皇帝陛下よ……」 「皇帝陛下がいらっしゃったわ」  貴族令嬢たちはレクスを恐れて跪き、頭を垂れる。  さっきまで見せていた態度と大違いだ。 「妃がお茶会を開いたと侍従から聞いた」 「事前にレクス様にお伝えし、お茶会を開く前に、皇宮の了承をいただいております」  私にぬかりはない。
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