9 決意

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 レクスはそばにいた侍従を軽くにらむ。  ――やっぱり伝えてなかったのね。  私が勝手にお茶会を開いていると、レクスに言って、印象を悪くしようとしたに違いない。 「皇宮には皇帝に嘘をつく人間がいるらしい」  レクスがパチンと指を鳴らすと、兵士が現れ、侍従は捕らえられた。 「ひっ! お許しください! 皇帝陛下!」 「虚偽しか口にできぬなら、二度と話ができないようにしろ」  令嬢たちは青ざめ、うつむいて震えていた。  侍従の悲鳴が明るい庭園に響く。  ――すでに悪逆皇帝の素質があるわね。  でもこれは、アーレントとフィンセントの教育上、よろしくない。 「レクス様。侍従がどのようにお伝えしたのか知りませんが、私の言葉を誤解したのかもしれません」 「誤解だと?」 「はい。女性ばかりのお茶会ですから、レクス様は退屈かもしれませんと侍従に伝えました」  これは事実だ。  そもそも、お茶会はクリスティナをおびき寄せるためのもので、レクスが顔を出すとは思っていなかった。
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