1205人が本棚に入れています
本棚に追加
誰もが、二人を祝福している中、唯一反対する者がいるとするなら、私しかいない。
私が呪ったと言っているようなものだった。
「おかーしゃま、ちがう!」
「わるい、まじょ! めっ!」
おとなしく座っていたはずのアーレントとフィンセントが暴れ出した。
ハンナが慌てて駆け寄り、二人をなだめる。
「まじょ! ばーん!」
「きらきら、わるい!」
「どうなさったのかしら? さっきまでご機嫌だったのに……」
クリスティナが魔女だと言いたいのだろうけど、子供たちの言葉を真面目に聞いている者はいない。
それは、レクスも同じで『悪い魔女? なにを言っているんだ?』という顔をしている。
でも、私はクリスティナの顔が一瞬、怯えたように歪んだのを見逃さなかった。
クリスティナは魔女であることを隠している。
「うわああああん!」
「まあまあ! どうしましょう! 泣き止んでくださいませ!」
ハンナが一生懸命なだめても泣き止む様子はなく、周囲もどうしていいかわからない。
アーレントとフィンセントが大泣きし、お茶会どころではなくなってしまった。
最初のコメントを投稿しよう!