9 決意

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 ハンナでは泣き止まず、私は二人を抱き上げた。 「子供たちはお昼寝の時間ですね。私はこれで失礼します」  席から立ち上がると、令嬢たちの悪意ある言葉が聞こえてきた。 「やっぱり呪ったのは、ユリアナ様ではなくて?」 「だから、逃げるのよ」  たしかに、クリスティナが怪我を負った原因は私にある。  でも、子供たちに魔法を使わなければ、怪我をすることはなかったのだ。 「皇妃様……。気分を害されましたよね。本当にごめんなさい……」  痛々しい姿のクリスティナが涙を流し、私に謝れば、どちらが悪者に見えるか――それは、はっきりしていた。  レクスは私に非難が集中したことに気づき、額に手をあてる。  夫の気を引くために毒を飲んだ挙句、嫉妬した令嬢に呪いをかける自分の妻。  面倒な女を妻にしたと思っているに違いない。  レクスはいつになく険しい顔をしていた。 「わかった。普通の怪我でないなら、皇宮の医術師に手当てをさせる。それでいいだろう」  ――レクスがクリスティナの滞在を認めた。  それは、クリスティナを皇宮に迎えるということだ。
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