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「いいでしょう。クリスティナ。私もあなたの滞在を認めます」
アーレントとフィンセントを抱きしめて、私は微笑んだ。
まさか、私が微笑むとは思っていなかったらしく、クリスティナは驚き、目を見開いた。
「魔女は数百年ぶりに私を楽しませてくれるかしら?」
「え? 楽しませて……?」
聞き間違えだと思ったのか、令嬢たちは顔を見合わせる。
レクスも少し首を傾げている。
私の発言が彼らが思っていた反応とまったく違っていたらしい。
「おかーしゃま、つよい」
「いちばん、つよい!」
アーレントとフィンセントが得意げな顔で言った。
「私は子供たちを守るためなら、最強の妃になりますわ。それでは、お昼寝の時間ですので、ごきげんよう」
堂々とした態度で挨拶し、去っていく私を呼び止める者は誰もいなかった。
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