10 夫は私を助けない

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「レクス様はここにいてもよろしいのですか? クリスティナと一緒に過ごしているとお聞きしましたけど」    とたんにレクスは不機嫌な顔になった。 「それは、俺に女を勧めているのか?」 「いいえ。そうではなく、レクス様の今日の予定です」 「そんな予定はない」  さっき、ハンナは私にレクスとクリスティナが、毎日お茶をしているとか言っていなかっただろうか。    ――クリスティナがレクスをお茶に誘っているだけ? 「伯爵令嬢が暗殺者のように、俺を追いかけてくるのは、そういうことか」  レクスはどれだけ人から恨みを買って、命を狙われてるのか、暗殺者に追われることがしばしばあるようだ。  納得してしまって、暗殺者に関して追及できずに終わった。  レクスは庭づたいに逃げてきたのか、金の髪に葉っぱがついていた。 「レクス様、髪に葉が……」  生意気なレクスのちょっと抜けた姿に、笑みがこぼれた。  金髪に絡まる葉を指でつまむ。 「ルスキニア皇帝に絡むなんて、悪い葉ですね」 「待て」
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