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「レクス様はここにいてもよろしいのですか? クリスティナと一緒に過ごしているとお聞きしましたけど」
とたんにレクスは不機嫌な顔になった。
「それは、俺に女を勧めているのか?」
「いいえ。そうではなく、レクス様の今日の予定です」
「そんな予定はない」
さっき、ハンナは私にレクスとクリスティナが、毎日お茶をしているとか言っていなかっただろうか。
――クリスティナがレクスをお茶に誘っているだけ?
「伯爵令嬢が暗殺者のように、俺を追いかけてくるのは、そういうことか」
レクスはどれだけ人から恨みを買って、命を狙われてるのか、暗殺者に追われることがしばしばあるようだ。
納得してしまって、暗殺者に関して追及できずに終わった。
レクスは庭づたいに逃げてきたのか、金の髪に葉っぱがついていた。
「レクス様、髪に葉が……」
生意気なレクスのちょっと抜けた姿に、笑みがこぼれた。
金髪に絡まる葉を指でつまむ。
「ルスキニア皇帝に絡むなんて、悪い葉ですね」
「待て」
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