10 夫は私を助けない

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 木の葉を捨てようとすると、レクスは私の手を取り、葉を見つめる。 「木の葉が欲しかったのですか?」 「そういうわけでは……いや、そうだ」 「どちらですの?」  なにを言っているかよくわからないレクスに首を傾げた。 「皇帝陛下。お席のご用意ができました」  侍女がレクスのための椅子を用意し、テーブルに席を作る。 「皇帝陛下がお茶の時間に訪れるのは初めてね」 「クリスティナ様と過ごさないのかしら?」  レクスが侍女たちをにらむと、全員おしゃべりをやめ、背筋を伸ばした。  アーレントとフィンセントは張り切って、ケーキをレクスに食べさせようとする。 「おとーしゃま、あーん!」 「こりぇ! ふぃん、すき!」 「お前たちで食べろ。俺は食べない」  レクスは甘いものが苦手なのか、ケーキを断り、子供たちが食べるのを眺めていた。  私がレクスの代わりに、ケーキを食べていると、淡々とした口調で尋ねてきた。 「ユリアナは甘い物が好きなのか?」 「ええ。甘くて美味しいものが好きですね」 「そうか」  夫婦の会話終了。
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