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木の葉を捨てようとすると、レクスは私の手を取り、葉を見つめる。
「木の葉が欲しかったのですか?」
「そういうわけでは……いや、そうだ」
「どちらですの?」
なにを言っているかよくわからないレクスに首を傾げた。
「皇帝陛下。お席のご用意ができました」
侍女がレクスのための椅子を用意し、テーブルに席を作る。
「皇帝陛下がお茶の時間に訪れるのは初めてね」
「クリスティナ様と過ごさないのかしら?」
レクスが侍女たちをにらむと、全員おしゃべりをやめ、背筋を伸ばした。
アーレントとフィンセントは張り切って、ケーキをレクスに食べさせようとする。
「おとーしゃま、あーん!」
「こりぇ! ふぃん、すき!」
「お前たちで食べろ。俺は食べない」
レクスは甘いものが苦手なのか、ケーキを断り、子供たちが食べるのを眺めていた。
私がレクスの代わりに、ケーキを食べていると、淡々とした口調で尋ねてきた。
「ユリアナは甘い物が好きなのか?」
「ええ。甘くて美味しいものが好きですね」
「そうか」
夫婦の会話終了。
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