11 守ったのは

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 レクスは額に手をあて、眠りを妨げた犬たちを凶悪な目でにらみ、魔法を発動させた。 「【土の守護】」  ――え? クリスティナだけじゃなくて、私も守ってる?  レクスは土の壁を出現させると、犬を囲んで動きを封じた。  やっぱり、レクスは侮れない。  本来なら、敵からの攻撃を防ぐために使用する魔法だけど、土壁の出現を利用し、即席の檻を作ったのだ。  魔力の量でいえば、私のほうがレクスより上である。  けれど、レクスは魔法の使い方がうまいのだ。  例えば、巨大な岩を砕くために強力な魔法を使うのではなく、岩の弱い部分を見極め、簡単な魔法で砕く。 「皇帝陛下。私を助けていただけるなんて感激です!」    クリスティナは胸の前に両手を組んで、目をうるませた。   「怪我はないか」 「はい」  
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