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レクスは額に手をあて、眠りを妨げた犬たちを凶悪な目でにらみ、魔法を発動させた。
「【土の守護】」
――え? クリスティナだけじゃなくて、私も守ってる?
レクスは土の壁を出現させると、犬を囲んで動きを封じた。
やっぱり、レクスは侮れない。
本来なら、敵からの攻撃を防ぐために使用する魔法だけど、土壁の出現を利用し、即席の檻を作ったのだ。
魔力の量でいえば、私のほうがレクスより上である。
けれど、レクスは魔法の使い方がうまいのだ。
例えば、巨大な岩を砕くために強力な魔法を使うのではなく、岩の弱い部分を見極め、簡単な魔法で砕く。
「皇帝陛下。私を助けていただけるなんて感激です!」
クリスティナは胸の前に両手を組んで、目をうるませた。
「怪我はないか」
「はい」
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