11 守ったのは

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「おかーしゃま……」 「きらい? ふぃん、きらい?」 「えっ!? そんなわけないわ。大好きよ」  不安にさせてしまったのか、アーレントとフィンセントを安心させるために、二人をぎゅっと抱きしめた。  レクスには言えなかった愛の言葉を子供たちには言える。    ――嘘でも言うべきだったのだろうか。  嘘でも言えたはずなのに、私は言えなかった。 「部屋まで送ろう」  レクスの口から出た言葉に、クリスティナが微笑む。  でも、侍女たちはその様子を見て、以前のように応援しなかった。  私を気遣っているのがわかり、皇宮の使用人たちの【魅了】はほとんど解けたようだ。    ――完全に破られた【魅了】は、二度目から効きにくくなる。向こうは内心、焦っているでしょうね。  ただ、肝心なレクスの【魅了】はまだ破られていない。  寄り添う二人を見たアーレントとフィンセントは怒っていた。 「きらきら、めっ!」 「おとーしゃま、きらきら!」  子供たちは、レクスに【魅了】魔法を使われたと気づいている。
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