第2章 夏 Firework 🌻第2話🌻強化合宿2日目

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第2章 夏 Firework 🌻第2話🌻強化合宿2日目

=ep1エネルギー源=  pipipipi-pi—— 「ふわぁぁ~」 「おはようございます。大きな欠伸ですね、あやみんさん」 「ふぁ?」  聞こえてきた声に驚いて、私の寝惚け眼が大きく見開いた。  ベッドの上から声の元へと視線を移すと、窓辺に立っていた美鳥がこちらを見ながら眼鏡をくい上げしていた。  さすが美鳥。もう着替えを済ませている。 「おはよぉ美鳥。結局みんなで寝ちゃったね?」 「ええ」  私は左右に視線を滑らせた。  あと二人は余裕で寝れそうなくらい特大なサイズのベッドの上で、みんなは穏やかに寝息を立てている。  良かった。私のアラーム、うるさくなかったみたい。  ちなみに、この特大サイズのベッド。部屋にあった二つのベッドを、くっ付けて出来た代物なのである。  本当はセバスが用意してくれたそれぞれのゲストルームで、みんな別々に眠る予定だったんだけれど、花林の部屋でUNOをすることになってさ。  元々二人部屋として使われるところなのか、私たちが割りられたそれぞれの室内にはベッドが二つあったから、それをくっ付けて、遊び場(けん)寝床にしたってわけ。 「よーし。じゃあ朝ご飯……作りに行きますか?」 「ええ。セバスさんもお待ちです。エプロンは、お忘れではありませんか?」 「うん。もちろんっ」  そう私は、当たり前に返事をしたんだけれど……。 「もぅ。おっちょこちょいですね。ちゃんと家を出る前に確認はされたのですか?」 「し、したよぅ」  うう。美鳥が、お母さんみたいだ。  私はバツが悪くなりながらも、キッチンに向かうため、同じ調理当番の美鳥と一緒に、白い大理石だと思われるタイルが敷かれた長い廊下を進んでいく。 「だってだって、ジャンパースカートみたいで可愛いから、何気に着るの楽しみだったもん」 「まぁ、エプロンが無くても料理は作れますから……。ですが練習着が汚れてしまうので、油跳ねだけは気を付けてくださいね? 洗濯も出来ますし、替えもあるでしょうが、油汚れは落ちにくいので」 「はぁい、お母さん。気を付けます……あ、セバス。おはようっ」 「おはようございます、あやみんさま」  セバスはそう微笑んで、会釈を返してくれた。 「今日もよろしくね?」 「はい♡」 「——む。セバスさん、それはもしかして?」 「おはようございます、二葉さま。ええ、お察しの通り。これは、あやみんさまにご用意させて頂いたものです」 「え? 私に?」  何だろう?  私はそう思いながらも、セバスから手渡されたものを受け取った。 「これ……まさかエプロン!?」  広げてみると、肩紐や裾にフリルの装飾が施されたミニ丈のエプロンだった。 「いかがわしい若奥様が着るそれですね? さすがのご趣味で、セバスさん」 「ええ。私めのロマンが詰まったこちらを、是非あやみんさまにと思って」  べ、別に、普通に可愛いと思うよ? 私は。  そんなこんなで、私はシルク素材の純白エプロンに身を包んで、朝食の準備に取り掛かった。  メニューは白米に、昨日海で買って来た板ワカメをお豆腐と合わせたお味噌汁。私が得意な甘い卵焼きと、美鳥が得意なきゅうりの浅漬け。野菜サラダ。それからセバスが用意してくれた、たくさんの干物の中から、笹かれいを選んで焼いた。デザートも、ここの土地で採れるメロンだ。  特産物でチートしているお陰もあるけれど、みんなで食べるとやっぱり。とても美味しく感じるんだ。 「ふー美味かった、ご馳走さん」 「いえいえ~。花林が作るご飯も楽しみにしてるね?」 「そのエロゲみたいなコスもご馳走さん」 「コスじゃないよ、エプロンだよ茉鈴」 「フフフ。ご馳走様です……」 「今のは、ご飯の話ではないですね? セバスさん?」 「美味しかったですの」 「ありがとぉ、凜々果」 「ありがとうございます、凜々果さん。で、今日はあれをするんですよね先生?」  椅子に寄りかかって、幸せそうに私たちを見ていた片寄先生だったけれど、美鳥に話を振られて、眉をキリッとさせた。姿勢を正すと頷いて言う。 「ああ! 総当たり戦、アップしたらするぞ!」
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