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素直に素敵だな……と思うけれど、残念ながら彼の気持ちに答える事は出来ない。
恋愛からはしばらく遠ざかりたい。
「しっかりと味が染み込んでいて美味しいですね」
「そう言って貰えて良かった」
親跡さんの私を見る目があまりに優しくて甘いものだから、こそばゆさを感じてひたすら料理を口に運ぶ。
「……恋愛に前向きになれない事情があるのですか?」
ゆっくりと咀嚼して、飲み込んだ。
と、親跡さんがバツの悪そうな顔をする。
「すみません、立ち入った事を聞いてしまって……忘れてください」
お茶で口内の塩気を流してから「気にしてません」と返した。
「今は仕事を頑張りたいので」
というのは建前で、本当の所は少し疲れたから。
「親跡さんみたいな素敵な方から好意的に見て頂けるのはとても光栄な事なんですが……」
苦い記憶が蘇る。
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