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「結局決まらず…だね」
「これじゃただの飲み会ですよ」
千鳥足で帰路につく。
「明日こそは決めましょう」
「とか言って、明日も同じ感じになりそうだけど…」
「皆して仕事忘れて美味しそうに飲んでましたしね。親跡酒造のお酒って高いから、ここぞとばかりに……役得ってやつですね」
夏川さんの最寄りのバス停で彼女と別れ、街灯に照らされた歩道を歩いていると、バッグの中で携帯が鳴った。
画面に表示されているのは見知らぬ11桁の番号。
一瞬仕事関係の電話かと思ったけれど、何となく嫌な感じがして出るのを躊躇った。
その内に着信が止む。
嫌な感じの理由が分からず困惑しながら、携帯をバッグに仕舞った。
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