《8》

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「隠さなくてもいいじゃないですか。その反応は図星ですね」 「別に隠してなんか……」 「いつの間にか仲良くなってません?」 「なってない、なってない!」 歳下に翻弄されて慌てる自分が情けない。 仕事を疎かにして浮ついてると思われたくないけれど、今の私じゃ説得力がないだろう。 「仕事に差し支えないようにしてくださいよ」 「わ、分かってる…」 やっぱり釘を刺された。 「親跡さんの機嫌を損ねて企画が流れたら困るんで、上手に彼の機嫌を取っておいてくださいね」 「え……あ、うん」 夏川さんの目がちょっと……いやいや、かなり怖い。 親跡さんは仕事とプライベートは別だと言っていたからその辺は心配ないと思うけれど、一応は気にしておいた方がいいのかも。 今回のお誘いは、デートというよりは接待感覚でいた方が良さそうだ。
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