《9》

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「プラネタリウム……ですか?」 着いた先の建物を見上げながら聞く私に、同じく建物を見上げて親跡さんが「はい」と答えた。 「今だけ限定の上映があるそうなので」 「え……嬉しい」 思わず飛び出た呟きを聞いた親跡さんは、驚いたように目を見開く。 「プラネタリウム……ずっと来たいって思ってました。でも中々機会がなくて…」 「そう、なんですか…?」 「はい」 恐らく年甲斐もなく目をキラキラさせていただろう。 テンションを上げる私を見て親跡さんが軽く吹き出した。 「それは良かった。せっかくなので楽しみましょう」 この時点で、接待感覚でいよう…という意気込みはすっかり頭から消え去っていた。
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