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尚も躊躇う親跡さんに構わず、率先してシートに腰を降ろす。
「靴は脱いだ方がいいみたいですね」
独り言みたく言いながら靴を脱いで横になった。
何だかこのまま寝てしまいそうだな…と思っていると、シートが大きく沈む。
薄暗い中でも照れた表情を隠せないでいる親跡さんと視線が絡んだ。
「思っていた以上に……」
「ち、近いですね…」
密着とまではいかないものの、かなり距離が近い。
お互いの息遣いが聞こえる程に。
下手すると、爆速の心音もバレているかもしれない。
「っと、すみません…」
「あ、大丈夫です」
お互いの肘がぶつかる。
間に肘掛けでもあればこの距離の近さは気にならないのだろうけれど、カップルの為にあるようなシートにそんな野暮な物はない。
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