第八話

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 翌朝。石黄の海から帰還し、エコシステムとキャットハンズの合同チームはガザリ街の停泊所へと着いた。  停泊所では、帰りを待っていた住民たちが出迎えてくれた。生還を祝い、ガザリ街に残っていたキャットハンズの面々がベイルの髪をくしゃくしゃにしたり、町長代理であるソレルに話しかけたりと、賑やかさを通り越して、少し騒々しい。  住民の歓迎を受けた後、エコシステムのメンバーは宿で休息を得ることにした。  疲れが出たのだろう。ステラやヨゼはもちろん、戦闘に長けたロエンも、それぞれの部屋で眠りについた。  「ヨーデル」  ベイルがヨーデルに話しかける。ヨーデルは部屋の窓から伝書鳩を飛ばしている最中だった。  「ああ、ベイルか。どうしたんだ、その頭」  ベイルの髪型はオールバックから無造作なものに変わっていた。手には酒瓶がある。少し髪が濡れているようにも見えた。  「街の連中と酒をぶっかけ合ってな。んで、身体を洗ったわけだ」  「そうか」  「今回の件、成功ってことでいいんだよな?」
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