第八話

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 ヨーデルが机に向かい席に座っている中、ベイルは入り口付近の壁に背を預けた。  「そうだな。目的のカプリマグネと遭遇し、情報を得られた。捕獲はできなかったが、まあカプリマグネは移動できないとわかると、ストレスを受け、最悪、死んでしまう。どのみち生きたままの捕獲は難しかっただろう」  「捕獲できても、数日後には死んじまってる、か。繊細なモンスターだぜ」  「ああ。ところで、どうして今回の件の成否を聞きに来たんだ?」  「聞いたんだよ。カプリマグネの磁力の能力について。あのチビの仮説が正しければ、モンスターの調査の難易度は上がる。カプリマグネの影響があったかを視野に入れなければならねえからな。議論の種になるだろうし、混乱するぜ。それを成功と呼んでいいのやら、ってな」  「正直なところ、俺は、カプリマグネは絶滅させるべきだと思う」  「おっ。大胆なことを言うねえ」  「カプリマグネがいなくなれば、モンスターの生態は現状よりもシンプルなものになるはずだ。そうすればモンスターの調査は進むし、対策も可能かもしれない」
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