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「だが、そんなことをして、万が一、星全体の大きな問題に発展した場合、俺たち人間ではもうどうすることもできない。その頃には頼みのカプリマグネはもういない」
酒瓶に口をつけた後、ベイルは自分の意見を言った。
「俺としては、全ての生物には何かしら存在している意味があると思っている。食物連鎖のピラミッド構造のように」
「それが嫌なんだ」
「あ?」
言っている意味がわからない。そんな顔をしたベイルに、ヨーデルは話す。
「生物にはそれぞれ存在している意味があるから、だから絶滅させてはならないなんて。そんな依存した関係、俺は嫌いだ。他の生物に頼らなくても、人間だけでも生きていけるシステムができ上がれば、きっと……」
「まさかとは思うが、さっきの伝書鳩にそんな意見を書き綴ったのか?」
「オブラートに包んださ」
オレンダ村に到着している頃には、返事が来ているだろう。組織を束ねるユニオンはどんな結論を出すのか。気になって眠れそうにない。そう思うヨーデルだった。
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