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お花見デートの巻
今日も狐白はストイックにカタカタとパソコンを叩き仕事をしている。情報収集をする中、ふと一つのキーワードが目に入ってきた。
「お花見…デート?
世の中にはお花見デートというものがあるのか…」
「お花見デート?」
急に声をかけられビクっとする狐白。
耳をぴくりと動かし、勝手に話に入ってきたのはカルマだ。
「お花見デートは任せろ!
今年の風魔のお花見はオレが取り仕切る!
盛大に盛り上げるぜ!ハッハッハツ」
「いや、デートなんですけど…」
呆れる狐白。
〜花見当日〜
満開の桜の中、広く敷かれたござに、たくさんの重箱に詰められた料理。そして各種お酒の数々。
しかしそこには、人の姿がない。
「な、なぜ誰も来ない!来ないんだぁ!」
「人望がないからではないですか?」
「なぜだぁ!!」
叫ぶカルマを横目に、お猪口に日本酒を注ぐ狐白。
(まあ、これでデートになりますけどね)
その感情は恋ではないかも知れないが、何と呼んでよいのかわからない。
ただ、季節は春である。
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