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「失礼します」
入ってきた使者を見て、ジーリョが席を立つ。カーバインも自然とジーリョの斜め後ろに立って微笑んでいた
「お初におめもじつかまつります」
今度はジーリョが膝をつき、カーバインもそれに準ずる礼をする
「おてをお上げください。…参ったなぁ。普通の使者の衣装を借りたのに。なんでわかったんですか?」
「たまたまバルコニーからいらっしゃる所をお見かけして。帝国におきましては、白馬に騎乗出来るのは皇族のみと伺っております。ミメッカ9世殿下」
ミメッカ9世は肩をすくめた
「そこまでわかっているとは。流石クバルツァロンにその人ありと言わしめた賢姫ジーリョ殿。とにかく、どうか楽になさってください。カーバイン殿もどうか」
ジーリョは顔を上げると、控えていた侍従に目配せをした。速やかに室内の椅子が調え直され、ジーリョ、カーバインとミメッカ9世は自然と向かい合う様にお互いソファに腰掛けた
「まるで、予測していたようですね」
ジーリョは曖昧な笑みで応える
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