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「…案外待たされますね。もう四日目です」
宿のバルコニーから北を見ると、遠くにユリエの南大門が見える
背後に険しい山を背負ったユリエの街は四角くくて城壁のある巨大な都市だ。奥に行くほど少しずつ高くなっているので、こうして少し高い所から見るとほぼ全景が見渡せる。また見渡す事を見越して都が作られているため非常に美しい
ここから南大門までは城下町が続いている。宿はここまでだがここから先は実質的にユリエ郊外で、街道の周りも畑ではなく、広場や商店、商いをする者の民家などになっている
若干乱雑な城下町の景色と、塀や門の向こうの計算されたユリエの景色のコントラストも素晴らしい
「美しい都市ですね」
何度目かの感想をカーバイン王子が呟く。ジーリョ姫はさすがにあまり機嫌が良くないようで、今日はまだバルコニーにも出てこない。だがカーバイン王子はそんな事は気にもしていない風で飽きずにバルコニーからの景色を楽しんでいたし、一人で感想を呟いていた
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