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「んッ⋯⋯」
色気のない低い喘ぎ声が増えるにつれ、伊織の怒張はより大きく硬くなっていく。
曲げられた足に軽く腰を当て揺らすと、神威は頭を激しく振り被り低く呻いた。
「いぉ⋯⋯」
伊織に縋りたいのに、頭上で一纏めにされてしまった指は空を切った。シルバーアッシュの髪が額に貼り付き、神威の頭の動きに合わせて汗を飛ばし続ける。
「まだ味わってる途中ですよ」
「んなッ⋯⋯おめェ⋯⋯あッ!」
伊織は舌を伸ばしたまま臍穴まで下った。普段の威勢の良さと比べると慎ましい臍を丹念に嬲る。
耳から離した指は乳首を弄んだ。緩急を付けて摘み上げ、爪で擦り乳輪をつつく。唇とは違う刺激が神威をまた狂わせる。
ピチャピチャと臍を舐められるとまた薄い精を放ってしまう。
伊織に触れられるといつもこうだ。快楽に支配されている脳裏の、僅かに冷静な部分が分析する。
表の会社は勿論、裏の天狼組もヤクは御法度だ。神威自身も試した事は無い。だがヤクに溺れた人間は見てきた。そんな連中と今の自分は何処が違うというのか。クスリも快楽も溺れた先に未来はない。
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