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いつもより責めている自覚が伊織にはあった。今日はほぼ神威の身体に触れていない。玩具を装着する時にサラッと掠っただけだ。 神威の劣情を増加させると承知していて。 視覚と聴覚、僅かながら嗅覚を満足させて、トドメとばかり伊織が言い放つ。 「玩具でいいなら、私は不要ですね?」 神威は目を大きく見開き頭を振る。先刻からの責め苦で浮かんだ汗が目に入るが、拭える指は頭上にある為、何度も大きく目を瞬かせ汗を追い出そうと試みるが効果は薄そうだ。 「今日はギャグボールを食んでないでしょう」 非情の響きを含む、ねっとりと重い声が神威に掛けられる。無骨な、しかし手入れの行き届いている指がゆっくりと神威の口唇をなぞった。 身体が大きく跳ねる。行為が始まってマトモに触れられた指が、その仕草が、あまりにも優しくて神威は思わず弛緩しそうになる。 「⋯⋯ッ」 伊織は神威の耳元に口を寄せ、一言囁いた。 「⋯⋯」 神威の身体がまた跳ねた。名前を呼ばれただけで中イキしたのだ。 「⋯⋯ッ」 鼻で大きく息をし、少しでも快楽を逃そうとするが、限界だった。
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