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その後も僕は毎日を送った。 ある日、リオンがスチームバイクで事故を起こした。 現場を離れたにもかかわらず、趣味で乗っていたのだという。 一時は生死をさ迷ったけど、しっかり戻ってきた。 ほっとすると同時に、この喪失感にも似た何かを自分の中に抱えるのは、初めてのことではない気がした。 どうしても気になるそれを手放せないでいるうちに、ふと、こういうのは人生で起こる最悪な出来事の一つなのだ、という考えが湧いた。生きている限り誰にでも起こり得ることだ、とも。 直後、驚くほど鮮やかな痛みが心に走った。 何が起きたんだろう、と混乱する中、あることを思い出した。 僕が僕の魔法に触れた瞬間も、感じたのは痛みだった。他の人は万能感や優越感を感じたらしいけれど、僕は違った。 たぶん、僕はそういうやつなんだ、と感じた瞬間、やっと何かが腑に落ちた。 もう、仕方がない。 そういう仕様だ。 これからもぽんこつな自分と付き合っていこうね、と痛みを近くに引き寄せた瞬間、思ったより痛くて、泣きながら笑った。 * いつのまにか視界が滲んでいた。 泣くなよ、と先輩の──アリシアの声が聞こえた気がした。 (にじ)む視界を擦って飛び続ける。早く、早く、会いに行こう。会いたい。会いに行かなくてはならない。
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