裏ストーリー

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 この小説の主人公の玲奈は、今でこそいつもお一人様で陰気なタイプなのだが、実は小学校までは明るく活発、抜群の運動神経の持ち主でクラスの中心人物であったのだ。  しかし、可愛かった彼女は、中学生なるとクラスの中心人物の女子から勝手に恋敵と認定され、彼女の根回しにより級友たちの標的の的となってしまう。  結局、それが切っ掛けで、彼女は孤独な学校生活を送ることになってしまい、そのせいで性格が一転することになってしまうのである。  それを酷く後悔をした彼女は高校では新規一転頑張ろうと、同じ中学の生徒が通わない遠方の高校に入学し、昔の良かった頃をを取り戻そうとする。  だが、一度一軍路線から外れてしまうと思ったように上手くはいかない。結局、1年経った高校2年になっても、中学の時の性格から抜け出せないままとなってしまうのでる。  夢に出て来るアイツこと央仁は学力優秀でバスケット部のエース。その彼は小学校の時に玲奈と同じクラスであった。当時背も小さく冴えなかった彼は、活発でクラスの中心人物であった玲奈にずっと憧れを抱いていたのである。  高校2年になり偶然彼女と同じクラスになった彼は、すっかり変わってしまった彼女を見て胸を痛めてしまう。あまりにも変わってしまっていて、それまで彼は彼女の存在に気付かなかったのだ。  そこで何とかして彼女に昔のような姿を取り戻して欲しいと、彼は彼女の為に色々と手を尽くすことに。結局それが切っ掛けとなり二人は付き合うようになる。  そこから彼女の運気は一気に激変。本来の才能を発揮する機会に恵まれ、性格も取り戻して行き、その高校の超一軍の仲間入り。ハッピーな高校生活を送ることになる。  と、簡単に言うとそんなストーリである。  私が今朝まで見ていた夢の段階はと言うと、やっと玲奈に対するクラスの認知も良い方に変わり始め、二人も付き合い始めたところである。  私の立場はと言うと、当初からそんな玲奈のことを周りの目を気にしながらも、陰ながら気に掛けていた数少ない1年生からの級友。言わばストーリーの中では一モブに過ぎない。  確かに私は、その一モブに自分を投影させたのは事実だけど、まさか夢にまで見るとは。それも五日連続で同じ夢を見て、しかも、次第にアイツの行動が私の書いているストーリーを完全に無視して、私に過激に接近してくるなんて…こんなのって幾ら何でもおかしくないだろうか?  こんな夢を見てしまうのもこのストーリーも終盤となり、最近執筆に没頭していたせいなのだろうか…
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