その次の夜

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「カンカンカン…、起きろ、起きろ、起きて億劫でも早く変えろ、変えろよぉ~」  今日もいつから私の部屋にあるのか?全く記憶に無い目覚まし時計に救われてしまう。  この目覚まし音は、目覚まし時計自体が勝手に作り出すメッセージとなっていて、それは当日音が鳴るまで誰にも分からないのである。今日は、そのメッセージが何故か設定をした覚えのない午前4時に作動したのである。  私が常時設定しているのは6時半である。それから変えた記憶は私には全くない。なのに、見直してみると設定タイムは4時になっている。  おかしい?  それに、今「変えろ」って言うメッセージを聞いた気がするのだが、一体何を変えろって言うのだろうか?ここまで毎日この目覚まし時計に助けられると、何か意味のあるメッセージに思えてしまう。  私は暫しそれを考えて、今日はこのまま二度寝ずに起きていることにした。その理由は、私の書いている小説の中のアイツ、央仁の性格を変える為である。幸い彼の性格を語っている部分は少ないし。  元々小説内では、アイツは真面目で硬派な良い奴なので、それに気弱で女性に奥手な部分を少し書き加えるだけで良いのだ。2時間もあれば十分に書き換えることも可能である。
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