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#09
「望月」
名前を呼ばれてぼんやり瞼を開けると真上から見下ろす羽鳥くん。下から見上げるアングルもイケメンだ。白のスウェットを着ていたはずなのになぜ裸なのか。想像していなかった裸体は綺麗な筋肉に包まれていて単純に見惚れてしまった。
「は、はれ……私……」
「今さら寝るとか言うなよ?」
「え」
「もう一回」
「え!」
いきなりまた濡れ口を塞がれた。片足を持ち上げられて羽鳥くんの肩に乗せられると一気に奥まで突いてくる。
「ひゃぁっ!」
「あー、気持ちい」
気持ちいいどころではない。さっきよりも全然深い位置に突き刺さる感覚はお腹が破られそうで……。
「ぁ、ぁあ……だめ、また……」
「また?なに?イきそう?」
「ぅん、イく、イちゃう、からぁ……」
「でもダメ?まだダメ?」
「あん、ぁっ!待ってぇ」
「もうずっと待ってんだよ。今さら待つかよ、もう待たない」
グッと奥を突かれて背中が反りあがった。
「は、ぁんっ!」
「今の好き?奥グッてされたら感じる?」
聞きながらグッて押し付けて、ググッて擦り付けるみたいに腰動かすからキュウってお腹の底が苦しくなる。
「はぁ、ん!ダメぇ、きもちい、だめ、変、変なの!無理!」
「あんま可愛いこと言うな。我慢できなくなる」
「なんっ……あっ!それぇ、だめぇ、んん!」
結局いろんなものをキスで塞がれてズンズン腰打ち付けてくるからそれを受け止めるのに必死。気持ち良くて、激しくてもどうしてこんなに大事に抱かれてるって思うんだろう。触れる手が、包み込んでくる腕が、見つめる瞳が……優しくて。
私……こんな風に、男の人に求められたの初めてって感じた。
「はぁ、気持ちいいな」
「ん……っ」
もう息乱れて胸の上下が激しい。エッチってこんなに運動量激しいものなのかな。疲労感がすごくてもう思考がクラクラしている。
「最後頑張れる?」
「ん……え?」
ズルッと濡れたところから抜かれるとぐちゅって激しい音がしてナカの水分が溢れこぼれたんじゃないかと思うような卑猥な音だった。多分出ていないと思うけれどもう下半身の感覚があまりないからよくわからない。それよりも。
「頑張るって、なに?」
「手、ついて」
え?っと思っていたら手首掴まれて身体を起こされるとその手をマットにつかされた。感覚をなくしかけている下半身、腰を持ちあげられたと思ったらいきなりズブッとバックで突かれる。
「んああっ!」
「あー、やば、気持ちいっ」
「あっ!そ、れぇっ……んぁっ――」
後ろから羽鳥くんの大きな手が口を覆ってきて声を塞がれた。もう片方の手はマットにつく私の手首ごと掴んで固定する。背中から覆いかぶさるように乗ってきて腰を打ち付けて追い打ちをかけてきた。
「っ!ふっ、んっっ!」
手で口を塞がれていなかったらきっともっと大きな声が出ていただろう。それくらい激しい動き、もう思考回路爆発。快感絶頂、無理すぎる。
「んーっ!」
「っ、ぁ……イきそ……イくっ」
耳元で囁きながら奥に擦り付けるみたいに熱いモノを吐きだされた。個室の中で絡み合う吐息が熱い。身体にかかる羽鳥くんの熱、息が乱れる私の身体から放つ熱……熱くて、熱すぎて、でもどうしようもなく心地よかった。
冷えかけて、寂しかった私の全身を包んでくれるような熱に瞳を閉じて感じていた。
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