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今日は妹の長女、次女との三人で家から近い満開の桜を見に歩いていた。
一応念のため、俺はレジャーシートや水筒、お弁当、小型カメラ、ウイスキーボンボン、縄、首輪、電動マッサージ器など皆が喜びそうな物を持って──
「何を持ってきとんじゃお前はー!」
「ぐはぁっ」
妹の長女、カズハに俺が内密に隠し持っていたブツに気づいてすかさず腹パンをかましてきた。
「お前これから花見に行くっていうのに何考えてんだ!
何しに行くってんだ⁉︎」
「お、落ち着けカズハっ」
両膝を地面に付いて動けなくなってるっていうのにまだ暴力を振るおうとする長女に俺は待ったをかけた。
「俺達は花見に行く──それは百も承知さ。
しかし俺は桜なんぞに興味はない。
お前達は桜を見て楽しむんだろうが、俺は一人寂しい気持ちで見なくちゃならない。
それは嫌だろう?
だから俺は俺で一人で楽しめるオモチャを持ってきたってわけさ」
まあ最終的にオモチャになるのはお前ら姉妹なんだがな。
「行こう、フタバ。
この変態はここへ捨てるべきだわ」
ゴミを見るような目でカズハは次女、フタバの手を取って俺から離れようとした。
「わたし……お兄ちゃんとも一緒にお花見したいなぁ」
ほわほわとした幼い口調で長女の意見を次女が反発した。
あぁ、純粋無垢でなんて可愛いらしいんだうちの次女は。
こんな汚れを知らない次女に、いつか歪んだ顔をさせて興奮したいもんだぜ。
「チッ。まあいいわ。
ここはフタバに免じて許してやるわ。
さあ、さっさとその汚いブツ捨てて行くわよ、この変態」
「へいへい」
カズハの言う通りに、俺はレジャーシートとお弁当、水筒を捨てることにした。
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