なかまはずれ。

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なかまはずれ。

 仲間外れは良くないです。  なんて大人達はよく言うし、仲間外れにしようとした側をすぐ“虐めをした”だの“酷い奴らだ”などと言って断罪しようとするものだが。  あたしからすれば、“こっちにも事情があるんだよふざけんな”って話だ。大体、大人だって偉そうなこと言いながらいじめの一つや二つするくせに(大人の場合はパワハラとかモラハラとか呼んだりもするが)、あたしたち子供だけ批判するのはどういう了見なのやら。  そう、だからあたしは悪くない。悪くないから、誰か助けてほしい。あの悪魔のような女から、どうにかして逃れたいだけなのだから。  言い忘れてた。  あたしは現在、十七歳の女子高校生。そこのところ、どうぞよろしく。  自分で言うのもなんだけど結構美人だと思うし、女の子だと思って優しく話を聞いてほしい。  とりあえずあたし自身の名前は――アヤとでもしておいてほしい。  友人の名前は、それぞれマリナ、サヤカ、アンナ。適当に三文字ずつで揃えたけど、まあ仮名だしそんな詳しく説明する必要もないからこれで行かせてもらう。今どきA子、B子とか書くのもなんかダサいし。  すべての元凶のあいつは――名前をレミとでもしておく。  そう、レミ。あいつはいなければ、こんな面倒なことにならなかった。逆恨みで人を傷つけて、苦しめて、本当に悪魔のような奴なのだ。全然部アイツが悪いというのに。  すべての始まりは、あたし達とレミが同じクラスになってしまったこと。新学期、クラス名簿であいつの名前を見かけた時、あたしは正直終わったと思ったものである。  なんで去年、一番嫌っていた女と同じクラスにならなきゃいけないのか。  彼女とは去年は隣のクラスで、部活動が一緒(文芸部。あたしは幽霊部員みたいなもんだけど)だったのでよく知っていたのだ。あんな気持ち悪くて面倒くさい女他にはいない。  二年生の春。春になって早々、嫌な予感しかしていなかったのだ。せっかく他に親しい友達と一緒のクラスになれたといううのに。
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