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「あ、ああ、そうか、これが潮かぁ。私、どちらかというと攻める方が得意で……」
失禁してしまったのではないと分かると、経験したことのなかった体験を振り返って、ふむふむと頷く。
「ああ~よかった。この歳で失禁したら母上になんて言われるか……」
リリアムがほっとして手を組み合わせてもぞもぞしている間も、グリアはさっさと手を拭いて、読みかけの本を開いている。
「俺はもう一冊読むものがある、スッキリしたならそこを片付けて、この書類を経理官に提出してこい」
グリアはさっきから書きつけていたメモを書類に貼るとリリアムの前に置いて、別の本を読み始める。
「あれ、先輩……もう仕事再開ですか? こう、なにか、情緒……余韻とか……」
リリアムは事後の抱擁やキスを欲していたが、グリアはもう何事もなかったよう本に没頭して返事もない。
「先輩、あの、キスとか……」
ダメもとでグリアに向かって唇を尖らせてみるが、無視されて目の前にもう一枚別の書類をさしだされた。
「早く服を着て働け、そのくらいでへばる体力ではないだろう」
リリアムは体はすっかり満たされたが、口さみしいままに洗濯場でシーツを洗うことになった。
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