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「人に必要な塩分量は把握している。味の濃さは道楽だ。山間部には教義で濃い味付けを禁止している宗教もある」
「何を屁理屈言ってるんですか。もういいです。そうそううまくいくとは思っていませんでしたし。次こそ美味いって言わせますよ。私、結構なんでも出来るんですからね」
リリアムは諦めなかった。
試行錯誤の末、グリアは三回に一回はリリアムが作ってきた昼食を完食するようになった。
グリアの食べる手が止まってしまった時は敗北したような気になって、自分で残りを平らげる。
リリアムとガーウィン家の料理人とのグリア攻略はしばらく続いた。
なかなか打ち負かすことが難しい相手に当たるのは、リリアムの闘争心を悦ばせるものであった。
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