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簡単だな……*
「リリアム様、もう少しだけ……」
ブラウスのボタンから入り込んだ手が、豊満な柔らかい肉を捏ねる。下着の中まで侵入した手が直に敏感な場所をとらえると、メイドは甘い声を上げた。
「少しで済むと思うのかい?」
リリアムは仕事をサボっていたメイドに呼び止められ、図書館の暗がりへ誘われた。
興が乗って、自分でも楽しんでしまおうかと思っていると、背後から大きな影が差した。
「お姫様、それで、もう少しだけ、何をして欲しいんだい?」
夢中になっているリリアムは、背後に佇むグリアに気が付かずに、メイドのスカートの間に脚を挟み込み盛っている。
「――そうだな、もう少しだけ仕事をしろ」
「ひゃっ!」
「あら、先輩?」
急に声をかけられて驚いたメイドが、小さく悲鳴を上げた。見上げれば特に何の表情も浮かべていないグリアと目が合う。
グリアは、目の前の痴態が気にならないようで、普段の調子で本のリストをリリアムに手渡す。
「仕事が滞っている。どうにかしろ」
リリアムは薄ら笑いを浮かべ、素早くメイドの身支度を整えて、丁重に送り出した。
これで技術振興部に配属になってから、三度目だ。
技術振興部に配属されたリリアムだったが、それらしい活動をしているかといえば、そんなことはない。
グリアに頼まれた仕事をする以外は、頻繁に警邏隊や近衛の雑用をするよう呼ばれる。最近では黒魔術隊という蔑称ではなく、リリアム貸し出し所と呼んでいる騎士もいるくらいだ。
グリアにしても、いちいちリリアムの手配にサインをするのが面倒で、リリアムの体の空いている時間帯を部室の外に張り出すようになった。
リリアムが向かうのは、男性の騎士が近づくのを躊躇われる舞踏会の控え室や、化粧室での警備の仕事だ。時には女性の立て籠もりの説得などの仕事が緊急で入ることもある。夫がたどり着くまで産気づいた妊婦の手を握っている、という仕事まであった。
今日、リリアムは夕方までは年若い娘たちの茶会の警備だった。着飾った令嬢たちに手を出したら首だとニコラに脅されていて、警備の間はじっとしていた。
ムラムラが溜まって城に帰ったら、丁度よくメイドに誘われて、少し発散できそうだと思っていたところだった。
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