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高校の担任から進路を聞かれ、成績が良いから大学へ行くのか?と言われたが、行かないと答えた。
なら就職か?と言われたが、しないと答えた。
担任は難しい顔をして、じゃあなぜ勉強をしてたんだ?と聞かれる。
俺はこう答えるしかなかった。
「勉強しかやることがなかったからです」
先生は何とも言えない表情で俺を見ていた。
結局、進路は決まらずに卒業。
親からは「悟の人生だ。好きなようにやればいい」と言ってくれた。
しばらく何もせずにずっと家に居たが、親に迷惑をかけるのはよくないと思い、アルバイトをすることにしたのだ。
「何のアルバイトをするの?」
シロは興味津々に聞いてきた。
「データ入力のアルバイトさ。因みに、もう採用されて明日から行く」
「もう決まったんだ。すごいね」
「ああ、人と喋らなくていいし、気楽にやれると思う」
「うん、悟にぴったりだと思うよ。でも、もし誰かに話しかけられたら、今度は会話してあげてね」
「そうだな……」
次こそは、話しかけられたらちゃんと会話するようにしよう。
孤立するのは嫌だから。
「大変だと思うけど、頑張れー」
シロは最近流行っているダンスを踊って、応援してくれる。
踊り慣れていないのか、動きがぎこちなくて面白かった。
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