3人が本棚に入れています
本棚に追加
アルバイト終了後、鈴原さんと来たのはアルバイト先の近くにあるファミレス。
ここまで来る途中、数人のグループとすれ違ったけど、鈴原さんと一緒だったからドキドキが軽減された。
ファミレスに入ると、店内の温かい照明が心を落ち着かせてくれる。
まだ17時過ぎだからか、客は少ない。
鈴原さんと向かい合って席に座り、メニューを開く。
「何にしようかなー」
鈴原さんは、目を輝かせながらメニューを見ている。
まるで宝の地図を見ている子供のようだ。
「高野君、好きなの注文していいよ。今日は給料日だから、お姉さんが奢るよ」
そういえば、今日は給料日だった。
だから夕食に誘ってくれたのか。
お互い注文が決まったので、鈴原さんが店員を呼んで注文してくれた。
話をしながら待っていると、料理が運ばれてくる。
俺はチーズハンバーグセット、鈴原さんはオムライス。
「では、ごゆっくりどうぞ」
店員は一礼して去っていった。
「おいしそー。それじゃ食べよっか」
「そうですね」
「いただきまーす」
「いただきます」
外食なんて何年ぶりだろうか。
箸でハンバーグを切り、チーズをたっぷり乗せてから食べた。
口の中で、幸せが広がっていく。
鈴原さんもオムライスを食べて、笑みがこぼれている。
「子供に戻った気分になるよねー」
「そうですね。すごく美味しいです」
鈴原さんが二口目を食べた後、スプーンを置いて、自身のことを話し始めた。
最初のコメントを投稿しよう!