白い世界とシロ

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「鈴原さん、急に泣いてすいません」 「ううん。高野君の気持ち分かるから気にしないで」 また泣きそうになったが、我慢する。 「っと、ご飯まだ途中だったね。食べよっか」 「そうですね」 温かい料理が目の前にあるんだ、冷める前に食べてしまおう。 鈴原さんがスプーンを持った時、ふと目についた。 「鈴原さん、腕にケチャップがついてますよ?」 「えっ」 鈴原さんは腕を確認すると、見事にケチャップがベチャーっとついていた。 「あちゃー……だねー」 そう言って鈴原さんは笑った。 俺も釣られて、一緒に笑う。 心から自然に笑ったのは久しぶりだった。
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