白い世界とシロ

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そして、俺達は……。 おっと、その前に報告しないといけない子がいる。 俺は久しぶりにシロの所へ向かった。 何もない白い世界。 今見ると、すごく寂しい場所だと思う。 「悟、久しぶりだね」 目の前にシロが現れた。 「やぁ、シロ」 久しぶりに見るシロは、今にも消えそうなくらい薄かった。 俺はシロに報告をする。 「俺、優子と結婚することになったんだ」 「うん、知ってるよ」 「なんだ、知ってたのか」 「うん、だって私はあなただから」 「そうだったな」 シロは俺が作った自分の分身。 この白い世界を作ったのも俺だ。 何もない静かな所で、誰かと話したいという願望で作った。 「もう私がいなくても大丈夫だね」 「ああ、今まで沢山遊んでくれてありがとうな。シロ」 「うん、どういたしまして。優子さんを大事にするんだよー」 シロの喋り方が少し優子に似ている。 いや、俺が優子のことを考えているからシロに反映されているのか。 「あのー、もういいかな?」 シロは俺の返事を待っている。 「ごめんごめん。優子を大事にするよ。じゃあな」 「うん、ばいばい」 シロは俺に向かって手を振る。 俺もシロに向かって手を振った。 シロは満足した顔で、消えていった。
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