白い世界とシロ

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「目を開けていいよ」 女の子に言われて、目を開けた。 目の前に女の子がいるだけで、何もない白い世界。 女の子のかみも白くて、白のワンピースを着ている。 「なにもないね」 「だって、何もないほうが落ち着くでしょ?」 「うん、そうだね」 今のぼくに、ふさわしい場所だ。 「ねぇ、あなたの名前は?」 「ぼくは高野(さとる)。君は?」 「私の名前は……シロ」 白い女の子にぴったりの名前だった。 「シロはここで何してるの?」 「何もしてない。ここにいるだけ」 こんな何もない所で一人でいるのは、さみしいと思う。 ぼくはシロに言った。 「じゃあ、ぼくがあそびに来てあげるよ」 「本当?ありがとう悟。私、待ってるね」 シロとばいばいして、自分の部屋にもどる。 さっきまでかなしい気持ちだったけど、新しい友達が出来て、うれしい気持ちになった。
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