あなたを消すために私は

1/1
前へ
/1ページ
次へ
 さあ、余計なものは無くしていきましょう。  これは目的に辿り着くために必要なこと。  大事の前では小事に過ぎない。  私は耐え忍びながら、次々といらない子たちを消していく。  唯一のあなただけを見定めて。  あなただけを大切に大切に育てていく。  どのくらいそうしていただろう。  そろそろ、もういいかしら。  あなたも随分と育ったし。  きっと頃合いね。  私は意を決して指を振るう。  瞬間、高らかな音が鳴り響き、視界では鮮やかな光が明滅する。 「きゃーーぁ、やったーー!! 最高コンボ達成ーーっ!!」  私のスマホ画面には、自分史上初めて見る高得点が大きく映し出されていた。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加