#1 姫、狼さんに出会う

11/18
前へ
/216ページ
次へ
そして、周囲の視線に気付いたのか、うざそうに回りを一喝。 「…てめえら、なんか文句でもあんのか?」 ドスの聞いた低い声、ってこういう声のことを言うんだなきっと。 その声を聞いて、みんなは慌てて目をそらす。 だけど、そんな中でも、苺花は、金髪くんから目が離せなかった。 「…んだよてめえ。喧嘩売ってんのか?」 そう言われるまで、じーっと彼を見続けていたみたい。 「ちょっと、苺花っ!」 控えめな、いおちゃんの言葉も聞こえてたはずなんだけど。 どうしても、どうしてもっ! これって、目を奪われるってゆーのかな。 「おい、聞いてんのかよ…」 ギシッ… 机をきしませてゆっくり立ち上がる金髪くんに、目をそらしていたクラスメートたちも恐る恐るこちらに目を向ける。
/216ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加