#1 姫、狼さんに出会う

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「…もう、いおちゃん、今日も美人過ぎるよ…」 「またそれー?もうそれ聞き飽きたから。」 呆れたように聞き流して歩き出す、いおちゃん。 その後ろ姿は、 大人っぽいブレザーをきちんと着こなして、清潔感そのもので。 膝上のスカートからすっとのびる、長く白い足。 見慣れても良いはずなのに、いつまで経っても見慣れない、 いおちゃんの完璧なルックス。 それに比べて苺花は……。 特別目立った長所のない、ごくごく平凡な自分の姿にため息を落とした。 昔から変わらない、猫っ毛に指を絡ませて、少し先を歩くいおちゃんを眺める。 いいなあ。 苺花も、あんなさらさらで綺麗な髪…ほしかったなあ。
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