#1 姫、狼さんに出会う

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「さっきからなに独り言言ってんの?てか、誰と話してんの?」 「…へ!え!?苺花、今心の中で言ってた、よね!?」 え、え、まさか…!? 「そのまさか。全部口に出てたよ。」 「えええええええ!?恥ずかしいよお!?」 穴があったら入りたいってのはこういう気持ちなんだ。 顔を真っ赤に火照らせて立ち尽くす。 気付けば、長い通学路も中間地点に達していた。 「…で、1つだけ。」 いおちゃんは、風でなびく髪を押さえながら口を開く。 「苺花は、自分落としすぎ。一応、学年1可愛いって言われてるんだからね。分かってますか?」 「…えええ!?あんなの、みんなの軽いいじめだよ!!可愛くないやつにあんな変な称号を突き付けて、笑い者にしようと………っ!」 ヒートアップする私を横目にため息をつき、一言。 「…その思考、どこからくるの。 さすが、学年1の天然姫。」 「そっ、そんな悪質な噂も広まってたの!? わああーーん、苺花がなにしたってゆーのぉ!?」 ーー桜井苺花、今日から高校2年生。 変な噂に負けないよう、毎日堂々と過ごします! …にしても、苺花、なんかいけないことしたかな?
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