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「氷の魔法『オアロ』」
ルナが氷の魔法を放ち、オアロの結晶に体を捕らえられるダイモス。
「氷の魔法か。こんなもの俺には効かぬわ」
ダイモスは腕に力を入れると強引にオアロの氷の輪を力づくで外した。
「オアロを腕力だけで破壊するとは。馬鹿力だなまったく。。」
あくまでも最小限の魔法で相手を倒そうとしているルナにロザーラが思わず声を上げる。
「ルナ! 魔力の温存なんて考えるな。目の前の敵を倒す事に専念しろ」
ロザーラの声が聞こえてきて、ルナもそうだなと考えをあらためた。
この先の事も考えて魔力を少しでも温存したかったルナであったが、この相手にはさすがに無理だと感じていたからだ。
「魔力の温存? 随分と舐められたものだ」
「ああ、少しばかり考えが甘かったようだ。ちょっとだけ本気でいくよ」
「面白い。では、その本気とやらを見せてもらおう。風の最大魔法『ルガラ』」
ダイモスは風の最大魔法ルガラを放ち、巨大な竜巻が巻き起こる。
「氷の最大魔法『オルレア』」
ルナはその竜巻を利用して氷の最大魔法を唱えると、風の竜巻と氷の竜巻が激突して竜巻がブリザードに変化する。
「そのまま竜巻に飲み込まれろ」
ダイモスは力で竜巻をルナの方に押していくが、ルナもそれを押し返す。
単純な力だけならダイモスの方が圧倒的に上であろう。
何しろオアロの氷の輪を力づくで強引に外してしまうパワーの持ち主なのだから。
しかし、魔力となれば話は別だ。
魔力では圧倒的にルナが上である。
ルナがほんの少し魔力を上げると、ブリザードは徐々にダイモスの方に向かって行く。
「そんな。。バカな」
「単純に魔力の問題だよ。それを信じられないというのならあんたが無知なだけ」
ルナがさらに魔力を上げるとダイモスは堪えきれず、ブリザードに飲み込まれて行く。
「ぐわあああ」
ダイモスは十数メートル上空に巻き上げられて落下し、さらに氷によって体が凍結して身動きが取れなくなった。
「寒いだろ? 今、暖めてやるからな。火の最大魔法『ファルガ』
ルナが火系最大魔法ルガナを唱えると、ダイモスは業火に焼かれて断末魔を悲鳴をあげて蒸発していった。
「でかい口を叩く奴は大抵大した事がない。口で言うだけの実力があるミルコはやっぱり凄いって改めて思ったよ。本人の前では口が裂けても言わないけどね」
終わってみればルナの圧勝であった。
「さすがはルナ殿。俺は何の心配もなく応援していましたぞ」
「あんたに心配されなくてもあれくらい本気の半分も出さずに倒せるよ」
「おお、麗しのルナ殿。またあなたに惚れ直しまいましたぞ」
「。。負ければ良かったかな」
ルナはエレナに回復魔法をかけてもらい、体力は回復したが、魔力はやはり少ししないと戻らないという事だった。
「これで第五階層まで突破した。残るは三つ」
コキュートスでダイモスから送られてきた映像を確認するソフィー。
「第五階層まで突破したようだな。まあ、ここまでは予定調和と言ったところだ。あいつらの魔法もひと通り見る事が出来た。余興はこれからよ」
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