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俺の身も蓋もないおねだりに、殿下はふふっと笑った。ダメだって、乳首くわえながら笑わないで。振動の刺激で腰が跳ねちゃう。
さするだけだった殿下の指が、俺の乳首を掴んだ。きゅっ、きゅっ、と刺激をくわえられる度に、涙が出るほど気持ち良い。
「あぁん……もう、浄化されるぅ」
すると、ピタッと殿下の動きが止まった。
「でんか……?」
「浄化される? 何故だ、まだわたしは入れてもいないのに」
気持ちよさにやられていた頭は、もっと欲しいと、殿下の手に自分の胸を擦り付けるように動く。
「もしやそなた、気持ちいいと『浄化される』と思っていたから、今も口に出たのか」
確かめるように殿下の手が再び動き始めた。
「あぁ、わかんない、もっとぉ」
「やはり、理性が溶けるほど気持ちがいいと言うようだな。ふっ、可愛い奴め」
殿下が喜んでるのは分かった。理由はわかんないけど、俺で喜んでくれるなら俺も嬉しい。そう思ったら、さらに大きな快楽の波が俺を駆け抜けた。
「――――っ!」
声すらまともに出なかった。全力で飛んだときみたいに、息が切れる。全身が心臓になったみたいに、どくどくと脈を感じた。
「はぁ、はぁ……」
「アル、大丈夫か?」
殿下がのぞき込んできて、汗で張り付いて額に張り付いた髪をよせてくれる。
「いまの、なに……?」
「そなた、胸への愛撫で達したのだ」
「……はえ? 嘘だ。胸を触られただけでバカな」
「嘘ではない。ほら、証拠だ」
殿下が俺の淫紋のあたりを指で触れたかと思うと、目の前で見せてくる。指には白濁がまとわりついていた。
恐る恐る、顔を上げて自分の下腹部を見ると、しっかりと射精している。
「そんなこの世の終わりのような顔をするな。わたしは嬉しいぞ。それだけアルが感じてくれた証拠だからな」
殿下は上機嫌で、指に付いた俺の白濁を舐めた。
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