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「はぁ、はぁ、殿下……ぜんぶ、入った?」
「……あぁ、奥まで入ったぞ。つらくはないか?」
殿下が啄むようなキスを、顔に降らせてくる。それがくすぐったくて身動きすると、体内のものを締め付けて甘いしびれを微かに感じた。
「あっ」
「そろそろ動いても良さそうだな。思い切り快楽に酔え」
殿下は言うなり、屹立を引いた。だが、すぐに奥を突いてくる。激しく突かれ、俺は殿下の命令通りに快楽酔いしれるしかない。
「あぁ! 殿下……あんっ……」
あれだけ圧迫感で苦しかったはずなのに。小さな快楽が発生した途端に、雪崩のように殿下の触れる箇所から快楽が広がっていく。さっきまでの比じゃない。気持ちいいしか考えられない。殿下に与えられる快楽が、俺の思考をすべて奪ってしまう。
「アル、気持ちいいか」
「きもちいぃ……きもちいいよぉ! 浄化されちゃうぅ……」
俺の中の殿下が、ぐっと大きくなった。さらに奥へ、奥へと突き上げてくる。
もうダメ、これ以上気持ちいいと壊れちゃう!
「あぁ、でんか……きもちぃ?」
「! もちろんだ。そなたの中はとろけるほど気持ちいい」
「よかったぁ……あぅ……」
殿下も気持ちいいって。嬉しいな。そう思ったら、体の奥がぐんっとさらに熱くなった。
「……なんか、くるぅ」
「わたしもそろそろだ。アル、一緒に――――」
「――――あぁっ!」
熱が弾けると同時に、俺の中に新たな熱が広がっていく。その感覚が気持ちよくて、何度も羽が震えた。
殿下が強く抱きしめてくれる、その心地よさを感じながら、俺の意識はまどろみの中へと消えていく。
***
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