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夕日が差し込む美術室の中、私は最後の一点を置いて、息をついた。
一人きりの空間で、私はキャンバスと向かい合う。
最終下校時刻間際の学校は、静けさと慌ただしさが混在していた。時折、「やばい」「急げ」と廊下を駆ける音が、美術室を掠める。
不意に、グラウンドから笑い声が響いてきた。塊が弾けるような、唐突でエネルギーのある声だ。制服に着替えたばかりであろう運動部の集団が、グラウンドを横切って下校していく。
その中心に、道原君がいた。
私は美術室から、道原君を静かに見つめた。それから、自分が描いたキャンバスを見た。
私は再び絵筆を取った。
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