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店員を呼んで本日のパスタを二つ頼むと、理絵は大きな目でわたしを見つめた。
「それで、今日はどういう呼び出しなわけ。ただ、ご飯食べようってわけじゃないんでしょ」
「さすが、我が助手。話が早くて助かるよ」
「誰が助手だ」
わたしはバッグから銀色のカチューシャを取り出すと、理絵の頭につけた。
「……いきなり何してんの」
「ちょっとサイズ感を測ろうと思って」
「また三城博士の発明か。わたしを巻き込まないでくれない? 鈴井さんがいるでしょうに」
「鈴井さんは理絵と違って一般人だからね。限界があるんだよ」
「わたしもバリバリの一般人ですけど」
理絵はそう言い張るが、彼女には普通ではない特殊な力がある。目が悪くないのに眼鏡をかけているのがその証拠なのだ。
「そんなこと言うなら、その眼鏡、返してもらってもいいんだよ」
「……で、何なのよ、この頭のやつ」
理絵はカチューシャをいじりながら聞いた。猫の耳を模したアンテナがついているので、コスプレっぽくてちょっと可愛い。
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