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「相談って?」 「このところ、世界のあちこちで不審者が目撃されているのです」  鎧姿のクラストは、ちらりと鈴井さんを見た。 「最近は新しい住人は増やしていないはずだけどね。詳しく教えてくれる?」 「はい。最初に目撃したのはカナンでした。畑仕事をしているとき、畑の端に立つ女を見たそうです。じっと見つめてくるばかりで、特に何かされることはなかったそうですが」 「見た目はどんな感じなの?」 「合わせて三回ほど目撃されていますが、いずれも真っ白な着物を着ていたようです」  クラストはじろりと鈴井さん睨む。 「わっ、わたしじゃないからね。こんなところ、初めて来たんだし」  ドーナツを握ったまま、鈴井さんが反論する。 「ルミナス(ここ)は、ある程度は自律的に変化するように作っているけど、知らない人間が入り込んだとなると、事件だね」  この世界はわたしの意識下に構築した世界。ねんねこイヤーでも使わなければ、外部からアクセスすることは出来ないはずだ。わたしが無意識に生み出したノイズみたいなものだろうか。 「その着物の人、次に現れるタイミングはわかる?」 「定期的に目撃されているので、そろそろ現れる頃ではないかと踏んでいます」 「わかった。わたしたちも見回ってみるよ」  創造主のわたしでも、ルミナスで起こる出来事全てを感知出来るわけではない。わたしは二人を連れて、街の探索に出かけることにした。
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