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地下に広がる巨大な開発室を抜けてスロープを下ると、学校のようにたくさんの部屋が並ぶ廊下に出る。それぞれ目的に応じた設備が用意された特別室だ。
博士は〝松の間〟と書かれた部屋にわたしたちを案内した。
「旅館じゃん」
部屋に入るなり、鈴井さんが突っ込んだ。わりと広めの和室に、布団が三組並べて敷いてある。
「君たちには、ここで眠ってもらう」
「言い方が微妙に怖いです、博士」
鈴井さんのツッコミラッシュを華麗にスルーして、博士は部屋の奥の鏡台前に腰掛けた。
「さあ、どの布団で寝るかは早い者勝ちだ」
「いやいや、修学旅行じゃあるまいし」
「じゃあわたしは端っこで」
「わたしも」
わたしと理絵が素早く両端に陣取ると、鈴井さんが呆然と立ち尽くした。
「鈴井さん、いびきなんて気にしなくていいですから」
「いっ、いびきなんてかかないしっ」
お手本のような反応をする鈴井さんが可愛い。八つも年上だが、なんだか理絵とはまた違ったイジりがいがある。
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