それはまるで夢のように

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「ウィルフレッド様の妃選考会で……リナリア様に毒を飲ませたのもあなたですね……実行犯はあの日会場で紅茶を配った侍女のシーラでしたが……シーラはあなたのために毒を盛ったのです」 「まあ、そうだったの? 知らなかったわ。シーラったら、私は毒を盛れだなんて、そんな恐ろしいことは一言も言ってないのに……ごめんなさいね、リナリア。暴走したことを謝るわ。でも、彼女はあの後、きちんと捕まって罰を受けたから。どうか許してあげてちょうだい」  あくまでも自分は関係ないというスタンスを貫きながら、悲しそうに目を伏せるデイジー。  リナリアは何も答えなかった。  自分は全く悪くない。本気でそう思っている相手に形だけ謝られても空しいだけだ。 「セレン様の薬を絶ったり……腕の立つ騎士に襲わせたのは……亡くなってもらったほうが都合が良いからです。この国にいる王子は二人……セレン様がいなくなれば……必然的に、ウィルフレッド様が王太子となる」
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