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「止めろ、デイジー。いまさら何を言ったところで無駄だ。もはや婚約破棄は覆らぬ」
「そんな、婚約破棄だなんて、嫌です! 私がこれまで何のために頑張ってきたと思っているんですか! こんなのおかしいわ、間違っている! ウィルフレッド様、私に何の過失があると言うのですか!? どうして婚約破棄されなければならないのですか!?」
「黙れ、デイジー!! いいから来い!! 陛下、娘が興奮しておりますので申し訳ございませんが、婚約破棄に関する手続きはまた後程――うるさいっ、黙れと言っているだろうが!!」
アーカムはテオドシウスに頭を下げた後、錯乱して喚く娘を引きずっていった。
「デイジー様」
――と。
声をかけたのはクロエだった。
金切り声で喚いていたデイジーが口を閉じ、嫌そうに侍女を見る。
クロエは腰を折り、深々と頭を下げて言った。
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